光明元年

雑感

土曜日、友達のライブを観に練馬へ。午後に母親と会う約束があったので母同伴で。練馬駅で降りたのは初めてだったけど、光あふれる良い駅前だった。人が少ないのも最高。

日曜日、早稲田松竹の「恋人はアンバー」と「アザー・ミュージック」の2本立てを観に行きたかったけど仕事が残っていて断念。

映画を諦めて家にいることにしたにもかかわらず、週末に仕事をするということにやはりどこか納得できず、やるべきことから目をそらしてenergy flowの最初の8小節を延々練習していた。先延ばし癖が悪い形で表出した。でもenergy flowは良い曲だ。坂本龍一が5分で作った曲らしい。

そのあとチャリで近所の本屋に行ってエレナ・トゥタッチコワという人の展示を見た。モスクワ生まれ京都在住の芸術家で、「土地や人の営みに秘められた詩学を見出すべく、歩き、考え、経験したことを言葉、ドローイング、写真、映像、セラミックなどの作品を通して表現」しているのだそう。プロフィールがすでに良くないですか?

展示スペースでは映像が放映されていた。日本の田舎と思われる緑深い森のような場所で、バイオリンのケースを背負った小学生くらいの子供が、自分の背丈ほどもある草を手に持った木の棒でなぎ倒しながら、ひたすら走りまわっている映像。子供はその空間で聞こえるあらゆる音、風が草木を揺らす音、自分の靴が草を踏む音、色々な鳴き方の虫の声、川の水が流れる音を聞いて、それらの音を自分のバイオリンで再現しようとしていた。指で弦をつまんではじいたり、弓を鋸のように使ってひしゃげた音を出してみたりして。バイオリンを指弾きしたときの音を初めて聞いた。音楽が生まれる場所を見ていると思った。坂本龍一が音でスケッチした日記のようなアルバムのことを思い出した。最近坂本龍一のことばかり考えている。長生きしてほしい。