光明元年

雑感

クルミチ

暮れに母親からもらったボルシチ缶を食べる(世の中にはボルシチ缶というものがある)からパンがほしくて、会社帰りにパン屋に寄った。会社と駅のちょうど中間くらいに位置するそのパン屋はいつも通らないほうの道沿いにあって、それまで存在に気づかなかった。コロナ対策なのか前からそうなのか、ショーケースに並んでいるパンを店の人に頼んで取ってもらう形式。ドイツパンとスコーンとクルミチ(胡桃とクリームチーズのパン)を買った。クルミチの時点でその店を好きになっていたが、店の人がパンの値段をなんとなくでしか把握していなくて、クルミチ、クルミチいくらだったっけ、と値段を客に聞いてくるタイプの店でなんとなく嬉しかった。これからはそのパン屋の前を通って会社に行くことでしょう。

帰ってボルシチを食べてから金曜ロードショーでやってた『パラサイト 半地下の家族』を観た。2日前に朝日新聞鷲田清一のコラムで「歴史の大きな、地をゆるがすような哄笑は底辺からわき上がってくる」というカレル・チャペックの言葉が引用されているのを読んでウケたばかりだったので象徴的だった。映画観よう、と思った。