光明元年

雑感

普段あまりに本を読まないので、今年は本を読もうと思って意識的にたくさん読むようにしている。年始にTwitterで見かけた誰かの真似をして「今年読みたい本100」を書き出した。100冊も読めるわけないけど、とりあえず書き出したことで自分がどんな本を読めてないか、読みたいと思ってるか、関心の方向性が明快になって良かった。何を読みたいと思っていたかって日常に埋もれて忘れてしまうことが多いけど、この紙を見返せばいいと思うと楽だ。

そうしたら年明けから今日までの間に4冊くらい読めた。最初から最後まで読んだ冊数でいえば去年の一年分くらいかもしれない。取り組み方をちょっと変えるだけでできなかったことができるようになったりする。やったね。

今年最初に読んだのがカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』だった。そのせいか、いまはもうとっくに失ったもの、過去のある時点までは完璧だった、その後生きていく上で台無しにしたあれこれ、などがしきりに思い出される。台無しになっても、二度と再現不能でも過去のある時点では確かに掴んでいたものというのはそれを記憶し続けるかぎりそこにあるんだということを思った。記憶はどんどん忘れるし塗り替えるしそのことに気づきもしないのが悲しいけどまたいつか思い出すかもしれない。