光明元年

雑感

春闘は春の生活闘争の略

会社から冬の賞与をもらった。少し嬉しくて少し出口がないような暗い気持ちになった。帰りに本屋に寄った。茨木のり子の詩を何編か収めた、手のひらサイズで凝った装丁の、余白の多い本が1800円程度で売られていた。金持ちのための本だなと思った。

昨日読みはじめた本に良い文章があった。

「空が、ありあまることなんてない。ぐっすり眠ってから空にふわあっと酔ったみたいになって目が覚めると、空は守ってくれるんだ。悲しいときなんかに。ここじゃ悲しいことがいっぱいありすぎて、空が足りないくらい。チョウチョも本当に少ししかいないし、花もほとんど咲いてないし、きれいなものはたいていちょっぴりしかない。それでも、わたしたちは手に入るものを手にいれて、それをできるだけうまく使う。」

サンドラ・シスネロス(くぼたのぞみ訳)『マンゴー通り、ときどきさよなら』晶文社、1996年